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2025/03/13

エシカルシンキング:オーガニックコットンと普通のコットンの違いって何?

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ナチュラルファッションやエシカルファッションを愛する人なら、一度は耳にしたことがあるかもしれない「オーガニックコットン」。
けれど、普通のコットンと何が違うのか、どうしてオーガニックコットンが推奨されるのか、意外と知らないことも多い。
今回は、オーガニックコットンと普通のコットンの違いを分かりやすく、深く掘り下げていきたい。

1. ファッションでも重要視されるオーガニックコットンとは?
① オーガニックコットンの定義

オーガニックコットンは、化学肥料や農薬を使わずに栽培された綿花から作られます。
人工的な力ではなく、自然の力を活かして育てられるからこそ、土壌や水を汚さず、生産者の健康を守りながら作られます。
一般的なコットン栽培では、害虫を防ぐために農薬が多用されますが、
オーガニックコットンは、天敵となる昆虫を活用したり、手作業で雑草を取り除いたりすることで、自然と共生する方法を採用しています。
環境との共生はエシカルファッションにとってとても大事なものです。

② エシカルなオーガニック認証の基準

オーガニックコットンが「オーガニック」と名乗るには、国際的な認証基準を満たしている必要があります。
GOTS(グローバル・オーガニック・テキスタイル基準)は、2002年に国際的な繊維業界団体によって策定され、
農薬や化学肥料の使用を禁止しながら、環境や労働者の権利にも配慮する厳格な基準を設けています。
日本で取得する場合は、ECOCERTControl Unionなどの認定機関を通じて申請する必要があり、
栽培から製品の完成に至るすべてのプロセスが基準に適合していなければなりません。


また、USDAオーガニック認証は、1990年に制定された有機食品生産法(OFPA)に基づいて運営され、
アメリカ農務省(USDA)が定める基準をクリアすることで取得できます。
食品だけでなく、繊維製品も対象とされ、GMOの使用は禁止されているのが特徴です。
日本でこの認証を取得する場合は、QAIやOregon TilthといったUSDA認定の第三者機関を通じて審査を受けることが必要です。


さらに、OCS(オーガニックコンテンツスタンダード)は、2008年に設立されたTextile Exchangeが運営しています。
エシカルなファッションを語るにあたってたびたび登場する団体ですね。
オーガニックコットンの含有率を明確にし、製造や流通のプロセスを管理する目的で設けられています。
オーガニックコットン100%の製品には「OCS100」、一定割合のオーガニックコットンを含む製品には「OCS Blended」の認証が与えられます。

2. オーガニックコットンが91%も少ない水で生産できる理由


オーガニックコットンは、通常のコットンよりも水の消費量が少ないとされています。その理由は、大きく二つあります。

一つ目は、オーガニック農法では土壌の健康が維持されていること。化学肥料を使用しないことで、土が本来持っている保水力が高まり、雨水や地下水の利用率が向上します。そのため、灌漑の必要が減り、水資源を大幅に節約できます。
もう一つの理由は、オーガニックコットンは主に雨水を利用して育てられるため、人工的な灌漑設備への依存度が低いことです。対照的に、GMOコットンを含む一般的なコットンは、収穫量を最大化するために広大な農地で栽培され、大量の灌漑を必要とします。

3. オーガニックコットンとGMOコットン:生産者の暮らしと未来

オーガニックコットンは環境に優しい。
しかし、それだけでは十分ではありません。
生産者が持続可能な暮らしを営めなければ、それは本当にエシカルな選択と言えないのではないでしょうか。
GMOコットンが世界の約80%を占める理由のひとつは、生産性の高さにあります。
遺伝子組み換え技術を用いることで、害虫被害を軽減し、収量を安定させることができます。
結果として、農家の経済的な安定が期待でき、市場価格の変動にも柔軟に対応しやすいです。

参考文献:https://gmoresearch.org/ja/gmo_article/bt-cotton-and-the-myth-of-enhanced-yields/
Bt Cotton and the Myth of Enhanced Yields
Kavitha Kuruganti
Economic and Political Weekly Vol. 44, No. 22 (May 30 - Jun. 5, 2009), pp. 29-33 (5 pages)

一方、オーガニックコットンは収量が通常のコットンに比べて約20~30%低いとされています。
そのため、単純な生産量だけを見れば不利なように思えるかもしれません。
しかし、オーガニックコットンの価値は、量ではなく質にあります。
化学肥料や農薬を使用しないことで、土壌や水資源を守り、長期的には農地の持続性を高めることができるのです。
私たちはこの質に対してエシカルなファッションを取り入れ、大量消費の世界に対してバランスを取ろうとしています。
オーガニックコットンは、通常のコットンよりも高価格で取引される傾向にあります。
フェアトレードの仕組みが整った地域では、農家が適正な報酬を受け取り、生活の質を向上させることができます。
化学農薬による健康リスクが低減されることで、医療費の負担が軽減され、
より幸せな生活ができることを想像してみてください。
あなたのファッションが人々の笑顔を増やす可能性があります。

参考文献:https://peopletree.co.jp/pages/organiccotton?srsltid=AfmBOopaxcJSI2TsptfTT0M29i1XGN9a-uHJtOpcwrZ00nBPKf5pNWID

では、どうすればオーガニックコットンの生産者が持続可能な暮らしを実現できるのか。
その鍵を握るのは、私たち消費者の選択なのです。
オーガニックコットン製品を選ぶことで、その価値を高め、生産者が適正な対価を得られる環境を作ることができます。
エシカルファッションが広まるほど、オーガニックコットンの市場が安定し、生産者にとってもメリットが増えていきます。
私たちがオーガニックコットンの服を手に取ることは、単なるファッションの選択ではなく、生産者の未来を支える行動でもあります。オーガニックコットンを選ぶことは、
「どんな未来を紡ぎたいか」という問いへの答えになり得ます。
次にコットンの服を選ぶときは、その一枚の背景に思いを巡らせてみましょう。
環境に優しく、生産者の暮らしを守る一着を選ぶこと。
それは、エシカルファッションがもたらす新しい可能性を感じる瞬間でもあります。

参考文献:https://sustainablejapan.jp/2021/08/01/organic-cotton-2020/64637
オーガニックコットンの現状/Sustainable Japan

4. エシカルファッション業界がオーガニックコットンを選ぶ理由

こうした違いを知ると、オーガニックコットンは環境や生産者にとって優れた選択肢であることがわかります。化学薬品に頼らずに土壌を守り、生産者の健康を損なうことなく栽培されるオーガニックコットンは、持続可能な未来への一歩とも言えるでしょう。
また、肌に直接触れる衣類において、農薬や化学物質の影響を気にする人も増えています。オーガニックコットンは、肌への刺激が少なく、敏感肌や赤ちゃんの衣類としても最適です。子供の未来を見守る服もエシカルと言えるのではないでしょうか。
ファッションは、自分らしさを表現するもの。だからこそ、その背景にも目を向け、地球にも人にも優しい選択をしたいものです。次に服を選ぶときは、オーガニックコットンの優しい風合いを手に取ってみてください。その一着が、新しい価値観と未来へとつながっていくと信じて。

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